耐久性を通じてサステナビリティを再定義する
来る政策転換への対応がますます必要になっています。しかし、いわゆる「課題」のある場所にこそ、私たちはチャンスを見出しています。衣類の使用期間が2倍になれば、気候変動への影響をほぼ半減できるという研究結果があります。また別の研究では、着用期間をわずか9ヶ月長くすることで、炭素排出量、廃棄物の量、水の使用量を20%削減できると推定されています[1][2]。つまり、最もサステナブルなプロダクトとは、使用し続けられるもの、ということになります。
[1] Mistra Niinimäki 他(2020年)。The environmental price of fast fashion。Nature Reviews Earth & Environment。1.189~200。
[2] WRAP、2024年
65%の人が環境に配慮していると答えていますが、実際に行動に移しているのはわずか26%です[3]。
私たちの価値観と、実際の購買行動が一致しているとは限りません。耐久性を具体的に実感でき、かつ価値を感じられるものにすることで、繊維製品の製造や私たちの購買行動に変化が起きる可能性があります。当社のホワイトペーパーでは、この機会について詳しく考察しています。
今日、耐久性は素材の頑丈さを超えたものとなっています。長持ちするプロダクトは、生活との関連性があり、魅力的で、修理可能であることも必要です。人は、自分の持ち物に感情的なつながりを感じると、それを大切に扱い、長く使い続ける傾向があります。
耐久性が人々にとって本当に価値あるものとして認識され、ブランドと消費者の双方に恩恵をもたらすものになったときにこそ、意味のある変化が生まれます。物を長持ちさせることの価値を、実際の行動へどのようにつなげていくのか、専門家の見解をご紹介します。
[3] Harvard Business Review、「The Elusive Green Consumer(口先だけのグリーンコンシューマーを動かす方法)」(2019年7月)